京都といえば、神社仏閣！…だけではないのです。
実は優れた近現代建築においても面白いものがたくさん。

そのひとつ、山科・御陵の疎水沿いに佇む立派なお屋敷、栗原邸。
独特の佇まいに前を通るたび気になっていたのですが、今回継承者募集をかねて一般公開！
サイクリングがてらオトナの社会見学に行ってきました。

サイクルハテナ集合からまずは身体をほぐすべく将軍塚をヒルクライム。

展望台からの眺めを楽しんでからダウンヒル、疎水沿いを目指します。

さて、お目当ての栗原邸。
本野精吾設計・昭和４年竣工のこちらがおもしろいのはコンクリートむき出しであるところ。

現代でこそ安藤忠雄さんなどに代表されるようなコンクリ打ちっぱなしの建築はめずらしくありませんがこの時代はまだまだ装飾的な様式主義建築が主流。

立派な建物と言えばレンガやタイル張りで美しく着飾るべし、という常識の中で、本来下地であるところのコンクリートそのものを表面に見せてしまう。
自転車で言えばローフィニッシュみたいな感じでしょうか？笑
和装も多い当時の人々の目には相当斬新に映ったはずです。

もちろんただ奇抜な見た目を目指したのではなく、機能性・合理性を追求した末に導き出されたもの。

これも自転車で無理やり例えるなら、バイクパッキングとかが近いでしょうか。
キャリアがないと荷物を積めない、という常識を覆し、直接荷物を括りつける事で軽量性、機動性を確保。当初は奇抜に思えた大型のサドルバッグも今やすっかり見慣れたものとなりましたね。

日本のみならず世界的をもリードしていた栗原邸の試みですが、ただ合理主義一辺倒というわけでもなく豊かな装飾性も兼ね備え、近代からモダニズムへの移行期を象徴する建築として評価が高く、国の登録有形文化財にも指定されています。

初夏の新緑の中、作り手の思いを感じる楽しいオトナの社会見学となりました。

こちら継承者募集中という事で2億円ほどで購入できる！との事。

疎水沿いの四季の移ろいも楽しめる価値ある物件。文化に理解ある資産家の方はぜひ購入のご検討を！

※残り期間わずかですが、一般公開についての情報はこちら。

せっかく京都に住んでいるのだからたくさんの文化に触れていきたいものですが、近すぎると逆になかなか行く機会がないもの。
サイクリングのついでに大人の社会見学を楽しめば一石二鳥、心も体も豊かにリフレッシュしちゃいましょう。

自転車というツールは京都の街にぴったり。
複雑な一方通行の通りや満員バスにストレスを感じる事無く、目的地までの道のりすらが思い出になります。

何より自転車もまた文化のひとつ。
自転車のことだけを考えていても内輪ノリで終わるだけ。
文化の交わるところにこそ新しい物が生まれることを教訓に、ほかのジャンルから刺激をもらって取り入れてもっと豊かなカルチャーにしていきたいと思う次第です。

今後もただのサイクリングにとどまらず、京都の街の魅力を掘り下げながら楽しいイベント企画していきますので、乞うご期待！
(開催予定はインスタグラム @eirinmaru にて掲載予定です)

はじめて・初心者・おひとりさまでもどうぞお気軽に！