最近自転車を始めた方にとっては聞きなれないブランド名かも知れませんが、昔から自転車好きである方にとってはこの名前を聞いて”お!”となって頂いた方も多いのではないでしょうか?~
それもそのはず。全てはここから始まりました。今となってはスポーツバイクの一車種としてすっかりスタンダードとなっております
「マウンテンバイク」というモノを世界で初めて作った伝説の人:
ジョー・ブリーズのブランド、【 BREEZER BIKES / ブリーザー 】です。
(上画像の自転車が世界初のマウンテンバイクとなった ”BREEZER”。計10本制作され、そのうちの一台は大阪の自転車博物館に展示されております)
1960年代後半、ベトナム戦争の反戦運動・人種差別の反対・政治、社会などへの疑問、世の中の流れに向けた対抗文化「 LOVE&PEACE 」を理念に掲げ、当時の若者に絶大な影響力を誇った【ヒッピー&フラワー&サイケデリックムーブメント】。
その渦中に、シュウィンのビーチクルーザーを改造したモノに乗って曲がりくねった未舗装の林道を一気に駆け下りるという当時としては全くもって非常にクレイジーな遊びをしていたコミュニティが存在し、
そのうちの一人、唯一フレームビルディング技術を持った「JOE BREEZE(ジョーブリーズ)」という方が今の「マウンテンバイク」の源流を世界で初めて作ったとされております。
(いつの時代どのような分野でも”新しいモノ”はこういったカウンターカルチャーから始まるものですね)
本国アメリカにおいて創業40年以上続き、そのパイオニアともなる歴史的背景的・プロモーション的にも申し分く、本国では長きにわたって永続するジョー・ブリーズ率いるブランド【 BREEZER BIKES / ブリーザー 】が、何故日本においては評価されることなく長く輸入がストップされ、今現在においては知る人ぞ知るある種マニアックなブランドに至ったのでしょうか?
それはきっと創始者ジョー・ブリーズの自転車に対する哲学にあるように思います。
MTBの生みの親、JOE BREEZE 氏~from BREEZERBIKES~より 当店宛てにビデオメッセージが届きました!
日本国内でBREEZERの存在が埋もれたこの十数年
(画像は当店所有の枻出版99年MTBオールカタログ。2000年の同カタログからはBREEZERの紹介ページはなくなっておりました。)
【 BREEZER BIKES / ブリーザー 】はそのブランド展開として、自らそのMTBパイオニアたる名声を大きく誇示せずに、あえて ”街乗り・通勤用/コミューターモデル” に力を入れた事がその大きな理由でありましょう。本国サイトはコチラ
(実は、ブリーズ氏が当時日本に旅行に来た際、アメリカには存在しない日本の「ママチャリ」を見て、”乗り物というモノ自体がこれだけ安く(しかも品質良く)作れるというその形態”に、大変感銘を受けたという逸話が残されております。)
その当時、斬新でハイセンス、機能的にも 進化の一途を辿る「MTB」というカテゴリー。
他社大手ブランドが次々にこの分野に参入~総合的/ワイドにブランド展開し、それに伴う大々的なプロモーション・宣伝には、当然のように我々欧米文化への憧れを持つ日本人の感心も集中しましたが、
ブリーザーはMTBを始めそのような良質(日本のTOYOフレーム製造モデルなどは憧れの存在でした!)なラインナップを保持しながらも、実に2000年初頭それとはまた違った方向性、「Transportation for a Healthy Planet- 自転車は健やかな地球のための素晴らしい移動手段である」という考えの元、あえてラインナップを全て「コミューターバイク」に切り替え ブランドを再出発するという大胆な行動に出ました。(これもある種の強烈なカウンターアクションですね)
我々日本人にとっては、見た目的には’ママチャリっぽさが匂う’コミューターモデル、国内での大きな注目・評価はされぬまま 結果、後に日本国内への輸入はストップ。そして十数年経った今現代においては、結果 ”日本人の間では知る人ぞ知るブランド” となってしまったのでありましょう。
2018年度、新たに日本国内への輸入が再開され、「そのレジェンドたるブランド背景」&「他社ブランドが持っていない実にツボをついた各ラインナップ自体」に注目が集中されがちなブリーザーではありますが、
個人的には”その行動・展開にこそ 他ブランドにはない独特の格好良さ”を感じます。
話は脱線しますが、俗にいう世の中のスポーツ車専門店と言えば一般車の修理をお断りする事例がよくあります(実際僕もいちユーザー時代に某スポーツ車専門店にパンク修理を断られた事があります)が、
当店は、’スポーツバイク専門店’と 謳っておきながらも、「一般車/ママチャリの修理対応等」もしっかり行っており、それに伴い出来る限り多くの人員を配備しております。
それは時に「一般車とは違うスポーツ車ならではの高級・特別感というイメージの提供」としては非常に効率の悪い運営方法ではありますが、
我々としては、
「他国にはない日本唯一のオリジナル自転車、心身ともに我々を育ててくれた”ママチャリ”に対するリスペクト」
「高額スポーツバイクのみを特別扱いする事なく、自転車皆兄弟、車種問わず 我々が持つ知識・技術・経験を持って、自転車の故障・困り事に対してフォローする社会貢献的行動」
「自転車屋たるもの ママチャリ語れぬ者スポーツバイク語るべからず」 *これは少々言い過ぎか?笑
(しかしながら我々とお付き合いのある他ブリーザーディラーさんって大体何かしらの形でママチャリの対応をしてますね。)
等をモットーに、それに対応できるべくスタッフ数を確保し、(あえて)所謂他一般スポーツ車専門店の主流とは違う展開をを志しております。
それと繋がるか否か?事実どうなのか?は決して定かではありませんが、ブリーザーが全てのラインナップをコミューターバイクに切り替えた要因には、高額なスポーツバイクのみ故意に特別扱いするわけでなく、車種問わず全ての自転車の道具としての根底となる「Transportation for a Healthy Planet- 自転車は健やかな地球のための素晴らしい移動手段である」をもっと多くの人に本気で提唱しようとしたのかもしれませんね。
(それはその過程こそ違えどかの世界最大ブランド”GIANT”と同じ事をやっていると言えましょう。)
*このご時世 ”プロモーションが前に出過ぎた ある種ただただ格好良いだけのモノ”というのはもはや格好悪いような気がします。
やはりこのBREEZERのように地に根を這わすような活動を経験したブランドにこそもっと脚光を浴びて頂きたいものですね。(MASHのライダーやフレームよりもユーザーが本当に注目すべきはMASHの監督マイク・マーティンの格好良さだと思うのです。)
そんなMTBの生みの親 生けしレジェンド、ジョー・ブリーズ率いるブランド【 BREEZER BIKES / ブリーザー 】が、2018年度より改めて国内への輸入が再開。
その情報が公になる一年ほど前、輸入代理店様より”是非BREEZERを取り扱いして欲しい”とご連絡を頂き、BREEZERの名前を初めて知った頃はまだ自転車屋でなかった自分が、この格好良いブランドを皆様に紹介出来るような立場になれたと思うと非常に感慨深いものがあります。
ドロップハンドルモデルそれぞれのバイクをストーリー性を持たせて紹介したオリジナルムービー。創設者のジョー・ブリーズも随所に登場しておりますね!
しかも発表されたその国内取り扱いラインナップは、
最大タイヤクリアランス38Cとラインナップ中最も”ロードバイク”っぽさを残す「INVERSION(インバージョン)」
650Bホイール&タイヤを標準採用し、ネオランドナー的立ち位置、オールロード的存在「DOPPELER(ドップラー)」
最大タイヤクリアランス29x2.1インチ、山道含め最もアドベンチャースタイルに寄った「RADAR(レイダー)」
ブランドの顔役ともなるMTB「LIGHTNING(ライトニング)」をベースとしたフルリジッドMTB「THUNDER(サンダー)」
MTBに加え、グラベルバイクやアドベンチャーロード、650Bホイール採用のオールロードといった、 バイクパッキングなど新しく進化した「ツーリング=自転車に乗って遊ぶこと」スタイルを主としたカテゴリー、またそのフレームをベースとした彼の得意分野でもある「コミューターモデル」であり、しかも余す事なく全てのモデルがスチールフレーム、そして全てが油圧ディスクブレーキ採用といったもの。
そういったラインナップは、決して自転車の特別な土壌、レースで活躍する為のものではなく、前述にもある当時彼の提唱した「自転車は健やかな地球のための素晴らしい移動手段である」というコンセプトに「楽しむ事」を更に加えた事で、より彼の哲学を分かりやすく形づけたものであるように思えます。
タイヤクリアランス最大38Cとラインナップ中最も”ロード寄り”のモデル。
ハイドロフォーミング形成された専用D’DUSIONクロモリTUBING(日本製!)を用いたダブルバテッドクロモリフレームにテーパーヘッド仕様のフルカーボンフォークを採用。
前後12mmスルーアクスル仕様。フォークサイド含め合計5つのボトルゲージ台座を用意。
オンロードをメインにバイクパッキングライドへ、そして時には林道まで。ネオルポルティーフという立ち位置。
◎INVERSION TEAM (インバージョンチーム)フレームセット
700cに比べ更に充分なエアボリュームを持ち、エアクッション効果と荒れた路面でのトラクション効果を発揮する650B(27.5”)x47C ロードプラスタイヤを採用。
前後12mmスルーアクスル仕様。フォークサイド含め合計5つのボトルゲージ台座を用意。
クラシカルな佇まいとモダンな規格を併せ持つ、まさしく進化したランドナーとも言えましょう。
最大タイヤ幅29x2.1インチのクリアランスを持つダブルバテッドクロモリフレーム&フォーク。
オーソドックスなフロント100xリア135mmクイックエンド採用でラインナップ中最もアドベンチャースタイルに特化したモデル。
BB下がり75mm、チェーンステー長458mmで抜群の低重心・安定性能。フォークサイド含め合計5つのボトルゲージ台座を用意。
また、よりアグレッシブなダートライドに適応するグラベルバイクカテゴリー史上初?となる 前後BOOST規格、29ERタイヤ、フォワードジオメトリーを採用した新型RADAR Xを展開
程よいしなやかさとバネ感、高い振動吸収性/耐久性に始まり、前後ブースト規格採用による高い剛性面をバランスよく併せ持つCR-MOフルリジッドMTB
フォークサイド、フレーム内、ダウンチューブ裏、シートステイ上 とバイクパッキングツーリングに適する多くのダボ穴を配備
トレイルも難なく走り抜ける29×2.6インチのボリューミーなセミファットタイヤ
手元でサドルの高さを調整できるドロッパーシートポスト標準装備
信頼性とコストパフォーマンス高い SHIMANO DEORE 1×12スピードメインコンポーネント採用
適材適所必要な部分へ最適な最新テクノロジーをしっかり落とし込みつつも、クラシカルな雰囲気にまとめ上げたこのトータルバランスは、
まさしくジョ―ブリーズが生んだMTBの源流ともいえるATB(全地形型~オールテラインバイク)の現代的解釈と言えましょう。
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